K-1ヘビー級で最強のハイキックを蹴る選手は誰か?
僕は即答でミルコ・クロコップと答える。
そのハイキックは戦慄そのものだった
スピードだけでなくヒットした相手が死んだんじゃないか?
と思うくらいの破壊力があった。
全盛期は相手がハイキックを怖がってほとんど試合にならないこともあった。
マイク・タイソンを彷彿とさせる脅威だったのを覚えている。
元々、ミルコはそこまでハイキックが強かったわけじゃない
初期の迷走期は某シューズメーカーみたいなリングネーム(ミルコタイガー)であまりパッとしない選手だった。
ミルコが強くなった理由が
肉体改造だと思う。
初期のころと比べると
全盛期のビルドアップは一回り大きい。
そしてものすごくバランスのとれた体をしているのだ
例えば、鍛えにくいハムストリングという太ももの後ろの筋肉がある。
ここは足をたたむ時に使う筋肉で鍛えることでスナップが強くなる。
ミルコはこの筋肉も異常に発達している。
そして腹斜筋や腸腰筋もビルダー並だ。
ハイキックに必要な筋肉が非常に高いレベルで鍛えられている。
それに元々のケリの柔軟性が合わさりあの驚異的なハイキックが生まれた。
本来ハイキックは片手が一本挟まるだけでかなりKO率が下がる
ミドルやローに比べると非常に不安定な体制で蹴るし
体重を乗せるのも難しいのでガード越しになぎ倒すことができないのだ。
しかしミルコは違った
片手くらいではなぎ倒してしまう。
更にヒットポイントをこめかみに絞ることで
顎をガードしていた相手の外を回ってヒットする。
よくみると若干膝から先の軌道が変化している。
ハイのガードが甘いとこれでKOされる。
それだけではない
ミルコはパンチテクニックやミドルやローも非常に強力なので
意識が翻弄される。
そうして相手をコントロールするのが非常に上手なのだ。
まちがいなくK-1史上でトップ3に入る選手だろう。