最近格闘技界で一大旋風を巻き起こしているコンテンツが
朝倉兄弟が仕掛けた「ブレイキングダウン」だ。
リング上で1分間という時間で殴り合うイベントなのだがyoutubeを中心にバズりにバズりまくっている。
ブレイキングダウンは格闘技か?
ブレイキングダウンに出場している選手のほとんどがプロ格闘家ではなく、格闘技経験者のアマチュアや喧嘩自慢である。
もともと始まりが朝倉未来のyoutubeチャンネルで人気企画だった素人喧嘩自慢とのスパーリングが始まりだからだ。
朝倉未来自身、Outsiderという前田日明が始めた喧嘩自慢を集めた格闘技イベント出身ということもあり
youtubeで公開された動画は数百万再生を連発した。
その勢いのままチャンネル登録者数は300万人を越えた。
ここで議論になっているのが「ブレイキングダウンは格闘技なのか」という問題だ。
武尊や那須川天心といった格闘家が、ブレイキングダウンに対しネガティブな意見を発信しており
「格闘技全体を盛り上げたい」という朝倉未来の方向性は必ずしも指示されているわけではない。
問題点として、ルールがある。
ブレイキングダウンのルールは1分間1Rで非常に特殊だ。
エンタメとしてはテンポよく進み非常に見やすく盛り上がりやすいメリットがあるが
駆け引きやスタミナといった本来格闘技に必要なスキルセットが身につきにくい性質がある。
また、メインは試合よりもオーディションやトラッシュトークで
実際の試合はK-1やRIZINの方がもちろん見ごたえがある。
前段階での演出が見事でUFCやWWEのような物語性の高いコンテンツへと昇華している。
RIZINもRIZIN CONFESSIONSで非常に上質な物語を発信しておりファンを獲得しているが
それでも再生回数は10倍近い差がある。
エンタメの発信力として一般層にまで認知を拡大させたブレイキングダウンはやはり非常に強力だ。
ブレイキングダウンは格闘技の起爆剤になるか?
この問に対する私の答えは「Yes」である。
ブレイキングダウンはまだフェーズ1だと思う。
とにかく認知を広げる段階だ。
アウトサイダーがそうだったように、そこからプロの格闘家が生まれるピラミッド式の構図がある。
ブレイキングダウンで発掘された逸材はそのまま朝倉未来のジムに入り格闘技漬けの生活の元練習をすることができる。
いわばブレイキングダウンはトライフォースにおける求人活動の一環でもある。
そこからデビューし人気がでればyoutubeの再生回数に転化されるしジムへの入会者も増える。
最高の環境で金銭的援助を受けながら練習を続ければ日本からUFCで活躍できるような選手が生まれる可能性も非常に高い。
そうすれば、ゆくゆくは朝倉未来が主催のRIZINのような格闘技イベントが誕生し大晦日日本中を盛り上げる可能性もある。
地上波と違いしがらみがない分、様々なyoutubeがブレイキングダウンに出場しアクセス数を稼ごうとする。
そしてそのファンたちがブレイキングダウンを視聴することで裾のが広がっていく。
ブレイキングダウンは決して格闘技ではないかもしれないけど、そこで朝倉未来や他の格闘家のことを知り
youtubeチャンネルに飛び本当の格闘技に興味を持つ人もいるだろうし
そもそもブレイキングダウンを見ていたら関連動画に格闘技動画がサジェストされるようなる。
つまり、ブレイキングダウンは間違いなく格闘技業界を盛り上げる一助になると私は思う。