フルコンタクト空手において、ハイキックで倒すことはロマンである。
ロマンだけど、実際は中々倒せるものではないし、そもそも当てることも難しい。
今日はそんなロマンがつまったハイキックで相手を倒す方法について考察してみる。
前提としてハイキックができるか?
まず、そもそもハイキックができるのか?が大事だ。
体が硬い人は足が上がらない!という不安もあるだろう。
しかし安心してほしい、体が固くてもハイキックは蹴れる。
上記の動画を見ると分かるように重要なのは蹴り方で、体の使い方が理解できれば相手の顔まで蹴りが届くようになります。
例えばK−1全盛期にハイキックでKOの山を気づいたピーター・アーツ選手もハイキックの蹴り方を見ると状態を後傾して蹴り足を上げるフォームですので、
そこまで柔軟性が高くなかったと思います。
空手会のPFPとも言われる白蓮会館の福地勇人選手もそこまで股関節が柔らかいほうでありませんが上段でKOを量産しています。
ハイキックに重要なのはタイミングと意識
ハイキックを当てるのに重要なのは「タイミング」と「意識」です。
相手がハイキックを警戒している時はどんなにハイキックが上手な人でも当たりません。
当てるためには相手のガードが下がっているタイミングと
相手の意識を上段から外す必要があります。
一番ベーシックな方法は、右ストレートからの右のハイキックです。
ストレートに相手が警戒するだけの威力とスピードがあり、かつハイキックにつなげるまでのスピードが早ければかなりの確率でヒットします。
ストレートでガードが下がればハイキックのスピードが早ければ必中の技になります。(ただし上級者は体捌きやステップワークで躱すので入らないことが多い)
最初はこのコンビネーションだけひたすら練習してもいいくらいです。
次に有効なのは下段からの上段、もしくは中段からの上段のコンビネーションです。
強い下段や中段は相手にダメージの意識を植え付けることが可能です。
その結果、一度強い下段や中段をもらうと相手の足が上がった瞬間意識が下段や中段にいきます。
そういった意識の定着を利用してハイキックをヒットさせます。
コツとしては下段、中段、上段の軌道を可能な限り近づける訓練をします。
鏡の前でひたすらフォームをチェックし練度を高めます。
予備動作をなくすこと、シンプルにスピードを追求する
最後はシンプルに想定以上のスピードで蹴ることです。
これは速筋優位でバネがあるなどの身体的な特性も必要になりますが訓練次第ではかなり上達します。
ロシアのセルゲイ・オシポフ選手はほぼ予備動作がなく、かつ凄まじいスピードでハイキックを放つ選手です。
上体による技の起こりがなく、一気に膝を抱え込み居合い切りのような軌道で相手へハイキックを当てています。
さらに上から下へ袈裟斬りのような形で打ち込むのでガードを上げていてもその上からすり抜けてヒットする可能性も高い技です。
おそらく初見では上級者であってもほとんどの人が倒されるでしょう(実際、全日本チャンピオンの田中健太郎や世界チャンピオンのテシェイラにも一本勝ちしている)
上記の動画の後半で実際にハイキックのミット打ちをしていますがかなり独特なフォームです。
膝の抱え込みの高さだったり膝のバネを非常に強く作用している蹴り方にみえます。
もう一人の名手が成嶋竜師範です。
凄まじいスピードの上段で一本の山を築きました。
成嶋竜師範のハイキックの蹴り方などは上記の動画から学ぶことができます(いい時代)