フルコン空手において
パンチ力を強化する方法について考察したいと思う。
まず、
パンチ力の定義として
「相手に効かせる」とする。
パンチを効かせるには
・タイミング
・スピード
・筋力
・体重
の4つの要素がある。
【タイミング】
軽いパンチでもタイミングがあうと技ありレベルで効くことがある。
上級者はこれを利用してタイミングをずらしてコンビネーションを組むことがある。
基本的には相手の呼吸だ。
人は吐いた時に腹筋に力を入れることができる
そして吸っている時は力が入らない。
どんなに腹筋を鍛えていても効くことになる。
ただ、上級者になると息を吸っているタイミングが非常に短いことと
反射的に腹筋に力を入れるように訓練しているので
そう簡単にタイミングをズラすことは難しい。
イメージとしては野球のピッチャーが速球からスローボールでタイミングを外す感覚に近い。
スピードの強弱、
リズムの強弱で狙うのが基本である。
【スピード】
スピードが早ければ相手はガードが間に合わず
急所にヒットすることができる。
スピードを磨くには速筋を鍛えることが重要である。
具体的にトレーニングの中で行えることは
全ての稽古の中で、最大のスピードで動くことが重要である。
例えば、シャドーの時、ゆるいシャドーでコンビネーションを行うより
単発で最大のスピードで行った方がスピードを向上させることができる。
サンドバックやミットでも同様だ。
筋トレ時も意識して行う。
腕立て伏せの時、ゆっくり行うより
伸ばす時ジャンプする勢いで行った方が効果的だ。
【筋力】
パンチ力は全身のフィジカルを鍛える必要がある。
その中でも肩回り、胸筋を鍛えるとキレと重さがます。
下半身と体幹を鍛えるとコンビネーションが安定する
大砲の土台が安定するイメージだ。
よく広背筋がヒッティングマッスルと呼ばれ重要視されることがあるが
広背筋は引く筋力であり
どちらかというと柔道やレスリングのほうが重要視される。
打撃格闘家が発達するのはコンビネーションにおいて使用されることが大きい
次の打撃を出すために広背筋を使う。
打撃力が強い選手ほどこの負荷が高まるために結果的に広背筋が発達する傾向にある。
つまり、順番としては、まず肩や胸筋、下半身を強化しパンチ力を高めれば
自然と広背筋は発達する。
広背筋のトレーニングから初めてしまうと効率が悪い。
【体重】
パンチ力において体重は非常に重要である。
5キロのダンベルと10キロのダンベルを寝ている人のお腹に落とすことを想像してほしい
体重を全て拳に乗せることができれば体重が重い人が明らかに有利である。
例えば昔セームシュルトというk-1チャンピオンになった選手がいたが
パンチのスピードはそこまでないが、パンチの度、相手のガードがふっとび
前に出れないほどの圧力をかけていた。
体重による威力の向上は実際に対峙して受けた時にわかる。
たとえ脂肪であっても体重を乗せることができれば10キロの増量で
明らかに破壊力が増す。
しかし、同時に10キロの重りを背負って戦うことになるので
スタミナは落ちる。
【まとめ】
理想的なバランスとしては
ミルコクロコップのような低体脂肪で100キロ近い体に持っていくことだろう。
しかし体重を乗せる技術があればマーク・ハントのように脂肪で加重したコンディションでも
凄まじい破壊力とスピードを身につけることができる。