フルコンタクト空手の試合の8割が判定で勝敗が決まる。
これは競技の特質上、ほとんどの試合が本戦の2~3分しかないからだ。

2~3分で相手を倒すのはかなり実力差が無いと難しい。
相手がディフェンスに徹した場合チャンピオンクラスの選手でも確実に倒すのは困難になる。

ということは、試合で勝ち上がっていくには
いかに「判定で勝つか?」に焦点を合わせる必要がある。

 

審判の基準は結構あいまい

まず、前提としてボクシングやMMAのようなプロ格闘技と比べて1日に100試合近く判定をしなければいけないフルコンの審判の判断基準はざっくりしている。
あきらかに片方が優勢の場合問題ないんですが、僅差の場合、審判によって手数、ダメージ等で判断する。

しかし、この手数とダメージがバリバリ試合に出ている審判と指導中心の審判でも変わってくるし
少年部と一般部でも判断基準が違う。

さらに言えば、審判の位置する角度によっても大きく変わってしまう。

なので地味に効かせる技は判定には影響しにくい。
もう極端な話、まったくインパクトを入れずに手数で相手に攻撃しているように見せてる選手なんかが勝ったりすることがある。

効いてるそぶりを見せると負けてしまうので、効いているか効いてないかというのは戦っている当人たちしか分からないのだ。

 

 

審判側の視点に立ってみる

フルコンの試合では1~2回戦だとできるだけ延長にならないよう少しでも優勢な部分があればどちらかに旗を上げる傾向にある。これはフルコンの大会が基本ワンデイトーナメントということと試合数が多いことがあげられる(少年部と合同開催なら選手数は1000人近くになることもある)

つまり、審判からみて「あーこれはこっちにあげとくか!」って気持ちになる組手をするのが重要だ。

傾向としては、前半は相手をみてスタミナを温存して後半に一気に畳み掛けるスタイルがもっともベーシックな戦略である。

また、「なんとなく負けてしまう」人の傾向として下記があげられる(僕がまさにそうだった)

・スパーリングっぽい組手
・気迫負け
・見せ場が無い
・攻撃を被弾しすぎる(避けずに受けるスタイル)
・よく態勢を崩す
・場外に押される
・超近距離になると距離を取るために下がりがち
・追撃が下手

これらは審判から見てマイナス要素になる
仮に相手にダメージを与えていても上記の要素が多ければ判定では相手に旗が上がる。
逆に下段が効かされてようが、肋骨が折れてようが審判に気づかれなければマイナスにはならない。

 

 

試合をひとつのゲームとして捉える

フルコンの試合は心理戦の要素が強いと思う。

若くて勢いのある選手がベテランに翻弄されて手も足もでない試合も多々ある。

虚をつき、惑わし、出鼻をくじき、焦らせ、消耗させる。

そうして試合をコントロールしている選手は間違いなく判定で勝利する。
つまりゲームのように駆け引きをして相手を削っていくと勝ちが近づくのだ。
相手を崩しペースを乱す方法を行い
審判に対してポジティブな印象を与える動きを見せる。

正直上位に行く選手は強さと同時に演技力も高いと思う。
勝つ雰囲気がある。というかつくれる。

まぁここで書いていることはあくまで地方大会くらいまでの勝ち方で
そこから上にいくと圧倒的な「強さ」がないと小手先の方法は吹き飛ばされて負けるんですけどね(笑)