1969年にはじめて極真空手の全日本大会が開かれてから53年。
様々な組手スタイルが誕生してきた。
そんな組手スタイルをざっくりまとめてみようと思う
#01オールド極真スタイル
昔ながらの突きと下段を中心とした組手スタイルである。
このスタイルのレジェンドが数見肇だろう
極真系の方々を組手をするとこのスタイルが多い。
圧力があり前進力が強い。
また、徹底的に下段に徹しているので一度効かされると地獄である。
突きもゴリゴリガードの上からも打ってくる人が多く
総じて拳もスネも硬い。
直接ぶつかるのは避けるべきだ。
ただ、一方でリズムが単調でカウンターは狙いやすく
突きには膝を合わせる
下段は距離を外して前蹴りを上手くつかい相手のペースに乗せないことで対処をする。
内回し、外回し、ブラジリアン、上段膝といった攻撃も比較的入りやすいので
蹴りが得意なタイプには攻略がしやすいかもしれない。
とはいえこのタイプの上級者は全ての攻撃に対し、ローキックを合わせてくる。
数見肇が数々の海外強豪をローキックでなぎ倒していったように
蹴りの中で一番最短距離で当たる下段は非常に強力なカウンター手法である。
#02正道スタイル
続いて紹介するのが正道会館が生み出したスタイル。
キックボクシングの動きを取り入れ、対角線の攻撃や体重移動、リズミカルなステップワークが特徴だ。
正道スタイルの体現者が子安慎悟である
重心移動による安定した組手、多彩な対角線のコンビネーション
上下の振り分け、当時の正道会館は上段膝の使い方も非常に上手く
常勝軍団を言われた。
フルコンタクト空手の技術を前進させた流派のひとつである。
#03塚本徳臣スタイル
現代フルコンタクト空手の大きな影響を与えたのが塚本徳臣である。
今まで見たこともない独自の組手スタイルで予測不能な攻撃で一本の山を築いた。
組手のヒントを他競技からどんどん吸収し(先に紹介した子安慎悟もカポエラからアイデアを得たそうだ)
一人だけ違う競技をしているかのような新しい空手を完成させた。
その影響は現代にも及び、JFKOでも上位入賞する選手は塚本徳臣スタイルに近い選手も多い。
特徴としては、それまで下段と突きを中心とした組手が主流だったのに対し
間合いを操作し常に巧みにフェイントを混ぜながら常に一本を狙うスタイルで戦った。
単調になりがちなフルコンタクト空手のコンビネーションだが
多彩なリズム、ロジカルに組み立てられた試合展開
根性勝負ではなく、考えて相手をコントロールし勝つ空手を作り上げた。
#04白蓮会館スタイル
現在、フルコンタクト空手で一大勢力になっているのが白蓮会館である。
福地勇人選手
内藤貴継選手
その他にも山口翔太選手、平木楓選手など
他流派でタイトルをどんどん獲得している。
白蓮スタイルの強みは「吸収力」である。
様々な空手のスタイルを取り入れて最新の組手スタイルにアップデートしている。
特に福地勇人選手の組手は完成されており、
身体能力や筋力に依存しないそのロジカルな組手は芸術的でもある。
その原点は上で紹介した塚本徳臣のスタイルだと言われており
そこに新しい技術を追加しアップデートしつづけている。